車のメンテナンスで大切なオイル交換。そして「オイル交換の2回に1回はオイルフィルターも交換しましょう」なんてことも言われています。
オイルフィルターはその名の通りエンジンオイル内の汚れを濾過するものですが、オイルフィルターの中にはマグネット付きのものも存在します。
スイフトスポーツは納車してから自分でオイル交換をしていますが、「オイルフィルターは変えなきゃいけないもの」くらいの感覚でしかありませんでした。
ある日、オイルとオイルフィルターを交換したときにふと「オイルフィルターの中身ってどうなってるのかな」と気になり今回分解してみました。
結果から言うと
- オイルフィルターって大事!
- マグネットも(それなりに)役に立ってるかな…
って感じです。
使用済みのオイルフィルターなんで中身はオイルまみれ、分解も大変なので気になる方の参考になれば嬉しいです。
オイルフィルター分解作業
今回分解するオイルフィルターは、先日交換したPIAAの「Z11-M」です。

このオイルフィルター。目の細かさが違う2種類の濾紙をそれぞれ配置し圧力損失を低減させ、大型のマグネットで鉄粉を取り濾紙への負担を減らそうって代物です。
え?なぜこのオイルフィルターを選んでるかって?
「なんとなくスゴそうだから…(汗)」それだけです。。。
なので分解して本当にこのオイルフィルターが良いのか、今後も使う価値があるのかを検証したいと思います。
ちなみにオイル交換などの詳細はこちらを参考に↓
ってことで分解開始。
なんですが、オイルフィルターって分解なんて考えてないので方法は1択。切り開くのみ。
ネットで検索すると意外と皆さん分解してるのですね…。
大きいパイプカッターがあれば良いのですが・・・おぉ、そういえばあった!

仕事で使っているねじ切り機です。
水道管などのねじ切り機にはパイプカッターが付いています。大きすぎですが(笑)

いつも使っているオイルフィルターレンチを準備。

オイルフィルターに取り付けしてパイプカッターにセット。

パイプカッターが回転したときに1番安定しそうな中央付近を切断しようと試みます。

ねじ切り機は電動ですが、パイプじゃないので手動で回します。
少しずつ刃を押さえていきますが思いの外、オイルフィルターのケースは厚みがなくボコボコ凹んでしまいうまく回せません。
オイルフィルターの中央部は押さえる力に耐えられないので、回転が安定しませんが根元の部分(カシメている淵の部分)の手前から切断することに。
うまく回らず格闘すること約10分。

ぱっか~ん!ようやく開きました(汗)
チラッと見える側面が傷と凹みだらけなのが手こずった証です(笑)
オイルフィルター内部構造確認
やっとのことで開いたオイルフィルター。早速、中身を確認してみます。
一応、開封前はこんな感じ↓

皆さんご存知と思いますが、オイルフィルターは外側の穴(6箇所の長穴。エントランスホールって言うらしい)からオイルが入り濾過されて、中央の大きな穴から戻る構造になっています。
PIAAのこのシリーズは大口径のエントランスホールも売りにしています。

内部のフィルターは、バネの力で押されていたようで開けた瞬間にググっと持ち上がりました。
赤茶色のパッキンを中で押さえつけて圧力があるときだけオイルフィルター内にオイルを循環させる仕組みのようです。逆流防止ですね。

パッキンをペロンと外すと1つ目のフィルターが見えてきました。
このオイルフィルターは濾過性能が違うフィルターの2層構造になっており一般的な濾紙(20ミクロン)とより細かい濾紙(10ミクロン)で構成されているので、濾過性能と低圧力損失を実現しているとか。
中のフィルターを取出してみます↓

2層式のフィルターが出てきました。
車体接続側が10ミクロン、その上に20ミクロンのフィルターが付いています。

上下のフィルターに挟まっている中央の黒いのが1000ガウスの強力なリング状のマグネットです。
この上下のフィルターは固定されてるわけではなく、中央のマグネットでガッチリくっついているだけです。引っ張れば外れます。

フィルターを外したところ↑
上画像は車体接続側のフィルター。上の黒いリングがマグネットです。

もう1つのフィルター。オイルフィルターの先端側のものです。
中央の突起部分はリリーフバルブ(逃し弁)です。濾紙が目詰まりしてオイルが流れない場合にこの弁が開きバイパスさせてオイルを戻します。

濾紙の部分です。両側から金属の枠で挟まっています。
聞いたことあるかもしれませんが、この濾紙のことを「エレメント」と言います。
オイルフィルター交換をオイルエレメント交換と言ったりしますが、この濾紙だけを交換するタイプだとエレメント交換になります。ケースごと一式交換ならオイルフィルター交換。
なので今回はオイルフィルター交換ってことになります。どうでもよい話ですね(笑)
後ほど紹介しますが、濾紙は蛇腹状に折り曲げられコンパクトに収まってますが広げると相当な面積で濾過していることになります。面積を広げることで圧力損失を抑えているのです。
ケース側の内部はこちら↓

中央に大きなバネが付いています。内部フィルター全体をこのバネで常に押しており、エンジンが動いている間だけ圧力で押されオイルがフィルター内を循環できるようになります。
次は濾紙(エレメント)を分解していきます。
オイルフィルター 濾紙(エレメント)の分解
2層式の濾紙(エレメント)を分解していきます。
2つあるので1つ分解に失敗しても予備がある感じで精神的にも良いですね(笑)
濾紙の両側の枠は鉄製で接着剤でしっかりと固定されています。なので手では外せませんのでプライヤーで思いっきり引っ剥がしますっ!

破れました・・・失敗です(汗)
でも大丈夫。もう1つあるので。

もう1つは破れずに外せました。
濾紙を丁寧に広げていくと結構な長さに。よく考えられてますね。
濾紙を広げたときに気付きましたが、素手で作業していましたが濾紙表面にザラザラした感触がありました。

画像では分かりにくいですが、濾紙の折り目に小さなゴミが付着しています。
分解したときのオイルフィルター使用状況は
- 全走行距離:約15,000km
- 前回交換からの走行距離:約5,000km
- 前回交換時にワコーズ eクリーンプラスを投入
ワコーズ eクリーンプラスってのは遅効性のエンジン洗浄剤。

この洗浄剤を入れて2,000kmくらい走ってからオイルとオイルフィルターを交換する方法です。
洗浄剤を使っているのもあったので、オイルフィルター分解したのはどれだけ汚れが取れたかも見たかったのもあります。
まぁ初めて分解したので比較ができませんが、汚れはしっかりキャッチしてくれてるようなので安心しました。(当然ですが)
エンジンオイルの汚れなので大粒のゴミや鉄粉があるわけないです。あったら問題です。
濾紙を触れば触るだけザラザラしてます。油まみれの手を拭きながら写真撮って…の繰り返しなのもあり、このザラザラをしっかり撮影することは難しかったですね。すみません。。。
マグネットへの付着確認
このオイルフィルター1番の売りであるマグネットへの鉄粉付着を確認します。

エレメントから外したあと出来るだけ他と接触がないように置いていましたが、強力なマグネットなので取り外したあとに付着したものもあるかもしれません。

画像では分かりにくいですが、大粒の鉄粉などは付いていません。
表面を触ってもあまりザラザラもありませんが…

マグネットを指で撫でると黒いススのようなものが。
おそらくコレは鉄粉ですね。細かい粒子状の鉄粉がマグネット全体に付着していました。
鉄粉ってまだ粒が大きいものかと思っていました…こんな細かいのですね。
こんなに細かい鉄粉でもエンジンにとっては大敵。エンジン内に残ったままになると研磨剤のように少しずつ傷が入っていくのでしょう。
マグネットは付いていてもまだまだ取り切れない鉄粉がエンジン内に残っているのは間違いないです。っということは定期的なオイル交換で鉄粉を除去していくしかないのかと。
オイルフィルターを分解して構造とマグネットの効果を確認 まとめ
オイル交換は3,000kmおき、オイルフィルターはオイル交換2回に1回のペースを心掛けてメンテナンスしていますが、今回のオイルフィルターの内部確認でメンテナンスの重要性がよく分かりました。
スイフトスポーツはメーカ推奨で10,000kmごとにオイルとオイルフィルターの交換と記載はありますが、考えただけでゾッとします…
いくらダウンサイジングターボ車と言ってもオイル量は3L少々。
普段使いでメーカ推奨で交換しても「壊れない」ってことでしょうけど早めに交換していくに越したことはありません。絶対。
そして、オイルフィルター内のマグネット。個人的な感想としては「無いよりあったほうが良いなか」くらいの印象です。
確認できたとおり、マグネットにはしっかりと鉄粉が付着していました。が、3,000kmごとくらいにオイル交換しているのであればそこまで影響しないのかなという気もします。
当然マグネット付きの方が良いですが、その分コストはかかります。(ネットでの価格差は約400円程度)
この差を安いと思うか高いと思うかは個人の考えにもよるのでお任せしますが。。。
次回のオイルフィルター交換は・・・またマグネット付きかな(笑)
↓今回分解したマグネット付き↓
↓マグネットなし↓
↓オイル交換だけなら上抜きが断然ラクです↓
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