これからDIYやってみようと思っている方や初めたけどまだまだという初心者の方で、まず揃えたい工具として挙がるのは「電動ドライバー」ではないでしょうか?
電動ドライバーと言っても種類は様々で、ピストル形の大きなものから主に小さいビスを締めるのに使う小型のものまであり「結局、どれ買えばいいの?」と思っていませんか?
ということで、今回はそんなお悩みの方へ仕事でも様々な電動ドライバーなどを使っている立場から用途別にどの電動ドライバーが良いかを考えてみたいと思います。
最近では一般的な手動のドライバーの形状をした電動ドライバーも登場しており、以前より興味があったので購入してみました。皆さんの参考になれば嬉しいです。
小型電動ドライバー比較│製品紹介・共通仕様
では今回購入した電動ドライバーから紹介。
1つ購入しても比較にならないので同形状でも特徴が違う2種類を購入しました。
まずはそれぞれ見ていきます。
TONE CHD21S ハイブリッド電動ドライバー
まずは有名工具メーカーのTONEから発売されている「CHD21S」という機種。(以降「TONE」と表記)
選んだ理由はズバリ「信頼性」です。
工具関係にある程度興味がある方なら知っているとおり、TONE製なら~ねぇ。って感じ。
っと言いつつ、紹介してすぐから愚痴ですが商品画像でお気付きになりますか?
拡大↓
本体の横にあるスペースが空っぽ。ここ、電動ドライバーの先端に付けるビットが付属されるはずなのですが付属されていません…。
Amazonで購入したのですが、カスタマーサポートへ連絡して「ビットが付属されてないから送って」と言っても「返品か返金の対応しかできない」とのこと。
こっちが悪いことしてもないのに返品の段取りして代替品待って・・・なんてしないといけないの??手間分だけ損じゃん!!ってことで泣き寝入りしました(泣)
まぁ、ビットの予備なんて揃えてるので無くても困らないからってこともあるのですが、不備は不備。実際にビット持ってない方からしたらたまりませんし。
パッケージの形状上、少し開いたところからビットが飛び出すことも考えられなくもないですが、そもそも透明なケースなんだから梱包時に分かるでしょ…。
おそらく、メーカーは悪くないと思っています。TONEですから尚更ありえない。
犯人探しをするつもりはないのでここまでにしますが、こんなこともあるので商品がお手元に届いたら付属品含めてチェックしましょう。
RAQUL VP-852D 電動ドライバー
対するは(競うわけではないですが…)VOICEというメーカーから発売されているRAQULシリーズの VP-852D 電動ドライバーになります。(以降「RAQUL」と表記)
選んだ理由は「パワフル・高評価」。
TONEのCHD21S 電動ドライバーより評価も良く、数値上の性能も良い。(しかも安い!)
果たして評価とおりなのか?ってことで購入。
マキタ DF010DZ(DF012DZ)電動ドライバー
こちらは前々から仕事で活躍している電動ドライバー。(以降「マキタ」と表記)
現在は持っている「DF010DZ」は廃版となってますので比較は現行型の「DF012DZ」で行います。
※下リンクは本体のみ、別途バッテリー要↓
今まで小型といえばこのペン型の電動ドライバーが主流でしたが、今回紹介した手動ドライバー形状をした電動ドライバーが登場してきたのでそれとの比較も兼ねて紹介。(仕事で使えたらなぁ的な期待もありまして)
マキタは、ちょっと違いがありすぎかもですが他2機種がこの代わりになるのかも気になり比較していきます。
ということで、この3機種にてそれぞれどのような違いがあって、メリット・デメリットはどうなのかを見ていきたいと思います。
3機種の共通仕様
紹介しました3機種に共通する仕様がこちら↓
- バッテリー充電式(マキタは着脱式)
- 六角軸のビットを装着して使用
- コンパクトサイズ
- 電動動作中はLED照明が点灯
結論から言うと「全て用途が異なる」気がします。
では、どう違うか。それぞれの特徴については追って説明していきます。
小型電動ドライバー比較│サイズ・質量
まずはサイズと質量の比較。
TONEの外観はこんな感じ↓
そしてRAQULはこんな感じ↓
最後にマキタはこんな感じ↓
TONEとRAQULはホームセンターなどに売っている普通のドライバーの形状に良く似ています。
マキタはピストル形なのですが、可動式となってますのでストレートの形状にもなり手動式のドライバーとしても使用可能(使いにくいですが…)
サイズ・質量ともにコンパクトなのはTONE。当然ですがマキタは論外(汗)
TONEと同じような形状をしているRAQULは、あとで説明しますがトルクやバッテリー容量がTONEと比べ全く違います。
TONEとRAQUL 大きさの違い↓
長さもですが、気になるのはボール形のグリップ部。
数値上は数ミリの違いではありますが、見た目も握った感じも違います。
参考に手動式の一般的なドライバーとの比較↓
比べてしまうとどっちの電動ドライバーもデカいですね。
このタイプの電動ドライバーはグリップ部にバッテリーが入っているため、大容量のバッテリーを積んでいるRAQULはどうしても大きくなってしまいます。
自分のように手が大きめな大人の男性ならRAQULでもあまり違和感ないと思いますが、女性やお子さんなどは扱いにくいかもしれません。
そのような方は、大きさ・重さも小さいTONEがおすすめ。
小型電動ドライバー比較│トルク・回転速度
次に性能的な部分の比較。トルクと回転速度について比較します。
コンパクトな分だけTONEはトルクも回転速度も小さいですが、2.5N・mあれば小ネジなどの締付けには大きすぎるくらいの力があります。(逆にRAQULは小ネジには強すぎかも)
そして、個人的に気になるのはTONEとRAQULの回転速度。
手回しと比べたら断然速いのですが、マキタに慣れていることもありこの速度は小ネジを何度も開け締めするような仕事ではストレスが溜まりそう…
日曜大工やDIY、家具の組み立てなどには便利に使えそうですが。
マキタの場合、高速・低速の切り替えができいつもは高速で効率よく、慎重な箇所は低速で確実に。ってことができます。
またトルクも10段階ほどに調整が可能で、設定したトルクを超えると回転が止まります。なのでネジ頭をナメたりするリスクも大幅に抑えることが可能。
逆にTONEやRAQULは、このようなオートストップ機能がないためスイッチを押している間は回ろう回ろうとするため使い方に慣れていないとやらかしてしまう危険があります。
参考までにトルクの違いを比べるのに木材に木ネジを締め込んでみました。
用意したのは、長さ51mmのコーススレッド。
2×4材にそれぞれのドライバーで締め込んでみます。
全て充電は完了させて満充電の状態での検証です。
充電中はLEDが赤色で点灯しており、充電が完了すると緑色に変わりますので状態が一目で分かるのは助かります。
当然ですが、結果はこのとおり。
①TONE ②RAQUL ③マキタ
これよりも細めの木ネジであれば全てのドライバーで最後まで締めることができましたので、ちょっとしたDIYくらいなら全然いけると思います。
小型電動ドライバー比較│バッテリー容量、充電・連続使用時間
続いてバッテリー容量と充電時間、1回の充電での使用時間について。
TONEとRAQULはバッテリー電圧は3.6Vなのでマキタと比べるのがそもそも酷かな(汗)
TONEのバッテリーはこのタイプとしてはごく一般的な数値ではありますが、RAQULが倍以上の容量があることを考えると魅力的ではありますね。
TONEの充電ケーブル差し込み口↑
マイクロUSB typeBです。正直今どき感があるのは否めません。。。
しかも工具としていただけないのは「接続口にカバーがない」こと。砂や木くずなど入ると充電できなくなる可能性もあるため、使用環境が制限されます。
RAQULはしっかり接続口にカバーが付いていますので安心!というか当然でしょ。
こちらも充電ポートは、TONEと同じくマイクロUSB typeB。残念…
モデルチェンジでtypeCになることに期待しましょう。
TONEとRAQULは「バッテリー内蔵型」なのに対してマキタは「バッテリー交換式」。
皆さん、お気付きでしょうか?ここでの大きなデメリット。
バッテリー内蔵型ということは「充電が切れたら手動」ってこと。あっ、切れても1時間程度休憩すれば充電できますね!ってことはプライベートならアリかも(汗)
仕事で使うにはこの問題って結構大きくて、現場でいつバッテリーが切れても良いように予備のバッテリーを持参するのは当然の話。
充電切れたからってあとは手動で…なんてできません。
なので仕事上では、TONEとRAQULなどのタイプをメインで使うことは難しいですね。
ただ、仕事でもマキタの電動ドライバーと一緒に狭い箇所などの作業もあるため手動ドライバーは携帯しているので、そのドライバーをこれに置き換える「サブ機」としては重宝するかもしれません。
小型電動ドライバー比較│操作感・使い勝手
次は操作感や使い勝手について。
TONEやRAQULっていわば「ドライバーの形状にスイッチが付いたもの」なので、正直なところ第一印象としては使いにくいです(汗)
回転スイッチがグリップの側面に付いています。上ボタンが正転、下ボタンが逆転。
ドライバーにスイッチを付けるので配置としてはコレしかないと思うのですが、これがまぁ押しにくい…
RAQULも同様の配置。
ドライバーをいつも通りに持つと押せないんですよね。
人差し指で押すとこんな感じ↓
逆転側を押すとこんな感じ↓
カタログなどの写真では親指で押してますが、これまた押しにくいし親指だとスイッチが横を向くのでLEDも横を照らします・・。
ちなみにTONEのスイッチは少々硬め。ダメとは言いませんが人差し指では連続作業では気になるかもしれません。
RAQULのボタンは軽めなので押しやすい。が、逆に言うとポケットや工具箱などに収納すると勝手にボタンが押されるなどの誤作動の心配があります。
そして、マキタ。
正転・逆転のスイッチはピストル型で握ったときにちょうど親指に当たるような配置になってます。
手首が変な角度になることもなく少々大きいですが作業性は快適。
これも当然ですが、TONEやRAQULは「手動ドライバーの形のまま電動機能を追加した」のであってマキタは「電動ドライバーありきで稀に手動でも使えるよ」ってやつ。
冒頭から言ってますが、比べたらいけなかったのかもですね。
そして、誤動作防止のロック付き!…いやだから比べたらダメっしょ(汗)
小型電動ドライバー比較│おすすめの用途
っとまぁ、色々と比較していきましたが「結局どれが良いの?」ってことですが冒頭のとおり「用途による」のかなと。
それぞれの電動ドライバーがどのようなシチュエーションに合いそうなのかを考えてみました。
TONE CHD21S ハイブリッド電動ドライバー
RAQUL VP-852D 電動ドライバー
マキタ DF010DZ(DF012DZ)電動ドライバー
どの工具にも長所と短所があるのは当然のこと。
「とにかくパワフルなのが欲しい~!」と言っても用途によっては扱いにくいこともあります。
購入の際には、まず自分がどの用途をメインで使いたいかを考えてから選ぶようにしましょう。
もしかしたら「やっぱ、手動でいいか…」ってなるかも(笑)
でも今まで手動ばかり使っていたなら、電動ドライバーを使うとこの便利さに間違いなく戻れなくなります。ぜひ一度お試しください。
あったら便利な道具たち
「試しに電動ドライバー買ってみようかな!」って方におすすめな電動ドライバー関連の道具を紹介。
電動ドライバー本体に付属されているビットは基本プラスが1本のみなので、他は別途購入する必要があります。
ビットは脱着式なので、先端を様々なものへ交換して使えるのも電動ドライバーの魅力です。
しかも電動ドライバーの強みは手動ではできない「連続回転」が可能なのこと。なので簡単な穴あけ作業は得意です。
↓木材などに穴あけするならコレ↓
φ2~6.5mmまでの穴あけができます。
↓ボルトなどの締め込みもできるソケットが付いたセット↓
↓家具組み立てなどで意外と使う六角穴用のビットセット↓
小型の電動ドライバーなので正直用途が限定されるのは仕方ないですが、せっかくの電動ドライバーなので最大限に使い倒していきたいものです。
DIY初心者の方も便利に効率的に作業するためにも検討してみてください。
小型の電動ドライバーでは力不足を感じたらインパクトドライバーにも挑戦してみても作業の幅は断然広がります。
↓木ネジや大きめのボルトなどをバンバン締めたいならインパクトドライバーをオススメします↓
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