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ブローバイガス還元装置(クローズド式)の仕組みとPCVバルブの動きを学ぶ

スイフトスポーツ(ZC33S) CUSCO製オイルキャッチタンク取り付け メンテナンス

車をカスタムしてくのは楽しいものです。ポン付けして加速が変わるもの、補強パーツで操作性が上がるものなどなど。

あれもこれもと次やりたいカスタムなどを調べていくと「エンジンの保護」なんてことも気になってきました。

早速、急でアレですが「オイルキャッチタンク」って知っていますか?

初めは純粋に単純に「エンジンルームにキラキラしたパーツ付けたいなぁ」みたいなド素人考えでオイルキャッチタンクを付けようと思い、毎度のように事前調査しているとなんだか「ただ付けるだけ~」って感じでもなさそうでして。。。

もちろん車種別に専用キットが発売されているので、パーツ買って付けて終わりってことでもOKなのですが、せっかくならエンジンの仕組みや構造なんかを少しでも理解してから取り付けてみようってことで。

なので、今回は取り付け前に少々小難しいというかお勉強です(汗)

一応、詳しい方の記事などを読み漁りなんとなく理解はできているとは思いますが、まぁ書いているのは車好きのド素人なので温かい目でご覧ください…。

ブローバイガスとは?

そもそも「ブローバイガス」とは何なのか?単に「ブローバイ」とも言うみたい。

ブローバイガスを理解するにはエンジンの基本動作を考える必要があります。

ガソリンエンジンは基本、ピストンを上下させて動力に変えています。

ピストンが下がる時にエアクリーナから吸った空気と霧化させた燃料(ガソリン)が混ざった混合気をピストン内に充填させ、上がってきたピストンで混合気を圧縮させてスパークプラグで点火して爆発させることでピストンがまた下がります。

爆発した後のガスは下がったピストンが再度上がる時に排気ガスとして排出されることになり、この工程を繰り返しています。

燃焼後に発生した排気ガスは全てきれいに排出されるのが理想ですが、残念ながらそんなにうまくいきません。

ピストンはシリンダー内を上下しています。動くということはそこには隙間があります。

できる限り密閉させないと圧縮ができないので、ピストンリングやオイルで密閉しています。が、隙間はあります。ピストンを動かすためには完璧な密閉は不可能なのです。

完璧な密閉が不可能であれば、わずかであろうと隙間は存在します。

その隙間から漏れてしまった排気ガスや燃焼時に燃えきれなかった未燃焼ガスのことを「ブローバイガス」と言うのです。

発生したブローバイガスはどうなるのか?オイルキャッチタンクって?

ブローバイガスは燃焼室からわずかな隙間を抜けてクランクケースに漏れてきます。

漏れた分だけクランクケース内は体積が増えますし、ピストンは常に動いているため圧力が変わります。完全な密閉状態ではありますが、この圧力変化はよろしくありません。

このような体積や圧力の変化をさせないようにクランクケースにはエアクリーナーとホースで繋がっています。これがブローバイホース(ブリーザーホース)と言われています。

クランクケース内に溜まったブローバイガスは、このブローバイホースを伝ってエアクリーナー側へ入り、再び燃焼させるような仕組みとなっています。

排気ガスや未燃焼ガスなので、本来ならすぐにでも外に出したい訳ですがブローバイガスは有害なため大気開放は禁止されています。(大気開放は車検も通りません)

こうして大気開放せずに吸気へ戻し再燃焼させる方式を「クローズド式」と呼ばれています。

有害だからということで大気開放できず再び燃焼させるブローバイガス。

決してエンジンに良いわけがありません。

そこで登場するのが「オイルキャッチタンク」

オイルキャッチタンクとは、このブローバイガスを小さなタンクを通してブローバイガスに含まれるオイルや未燃焼燃料を空気と分離させてキレイにしてあげる装置です。

ブローバイホースは2本存在する!?PCVバルブって?

っということで、ようやく(個人的な)本題へ入っていきます。

ざっくりと説明したブローバイガスの意味と流れですが、ブローバイホースは1本ではなく2本あるのです!そしてそれぞれのホースが少々違う役目をしているので次からは図解含めて説明していきます。

エンジンはアクセルの踏み方で回転数が変わるのは当然です。

回転数を変えるために吸気量を調整しているスロットルがあります。

このスロットルの開度に分けて説明します。

スロットル全閉(アイドリング・エンブレ時)

まずはアクセル全閉の状態でのブローバイガスとエアクリーナーから吸った空気の流れです。

ブローバイガスとエアーの流れ(スロットル全閉)

簡単なイラストですみません…。これでも頑張って描きましたので。。

まずエンジンとエアクリーナーラインとを繋いているホースを分かりやすくするためにスロットル手前にある「Aルート」、PCVバルブが付いている「Bルート」とします。

「Bルート」に付いているPCVバルブとは、両方から吐いて吸ってと繋がっておらず1方向にしか流れないバルブです。

イラストのようにエンジン側から排出しかできない(逆には戻れない)バルブです。

逆に「Aルート」はただのホースのみなのでどちらにも自由に行き来できます。

スロットルが全閉の場合は、エンジンとしては空気を吸いたいのにスロットルが閉まっている状態(負圧)なのでエアクリーナーから吸った空気は「Aルート」を通って入っていきます。(青矢印)

負圧状態なので「Bルート」からも吸いたいのですが、PCVバルブがあるので吸えません。なので「Aルート」のみで吸気します。

そしてピストンから漏れ出たブローバイガスは、スロットルの先に繋がっている「Bルート」を通って再び燃焼されています。(赤矢印)

スロットル半開き(中回転)

通常の運転中などの場合はこちら。

ブローバイガスとエアーの流れ(スロットル半開)

ようやくスロットルは開き通常のエアーの流れができますが、半開きなので負圧の状態次第では「Aルート」からも吸われます。

ピストン運動が続く以上はブローバイガスは出ますので「Bルート」の流れは変わりません。

スロットル全開(アクセル全開)

最後にスロットル全開(高負荷時)の場合です。

ブローバイガスとエアーの流れ(スロットル全開)

アクセル全開の場合は通常のエアーの流れが充分にありますのでエンジン内は正圧。

充分な空気量があるので「Aルート」の流れが変わります。

そしてこの場合も「Bルート」は変わらずブローバイガスを出して再燃焼させています。

ちなみにスイフトスポーツ(ZC33S)の場合はそれぞれのホースは以下となります。

↓Aルートはこれ。ホースのみで繋がっています。

スイフトスポーツ(ZC33S)ブローバイホース位置1

↓Bルートはこれ。根元の黄色矢印の青いパーツが見えてるのがPCVバルブです。

スイフトスポーツ(ZC33S)ブローバイホース位置2

「Aルート」はエンジンルーム開けたらすぐ分かる場所にあるので皆さんも分かると思いますが、「Bルート」はまぁなかなか作業しにくい場所にありました…

その辺はオイルキャッチタンク取り付け編で解説します。

オイルキャッチタンクはどっちの配管に繋ぐ?

ブローバイガス、オイルキャッチタンクの意味がある程度分かったことでまたも疑問が。

「オイルキャッチタンクはどっちの配管に繋ぐのが正解か?」

これ、調べると様々で個人的に行き着いた結論は・・・

「Bルート」

オイルキャッチタンクの有名メーカなどの車種専用のキット品は、こぞって「Aルート」。なのに選んだのは「Bルート」(汗)

選んだ理由は簡単で、今までの説明を見てもブローバイガスは常に「Bルート」に流れています。(調べた限りではなので実際は分かりませんが…)

おそらく有名メーカさんたちはサーキットなどの限界走行(エンジンをぶん回した時)のために「Aルート」を選んでいるのか?な?

ちょっとこの辺は実際にオイルキャッチタンクを取り付けた時にそれぞれのホースの汚れ具合などを見て最終的な結論を出そうかと思います。

ということで、個人的にもまだまだ勉強中の段階ではありますので今はこれ以上の解説も見解もできません(汗)

あとは実際にオイルキャッチタンクを取り付けて検証していきたいと思うので、この記事は追って結果なども追加していきます。

オイルキャッチタンク取付時のホース汚れ比較

PCVバルブ側のブローバイホースにオイルキャッチタンクを割り込ませて取り付けしました。

詳細についてはこちら↓

実際にインマニ側のPCVバルブとホースを外したところ少量ではありますが、ドボっと液体が出てきました。

スイフトスポーツ(ZC33S) CUSCO製オイルキャッチタンク取り付け

↑引き抜いたホース。オイル状の液体が溢れてテカテカしてます…。ウエスで構えておかないと周りを汚すくらいの量は出てきました。

スイフトスポーツ(ZC33S) CUSCO製オイルキャッチタンク取り付け

↑PCVバルブです。

そこまで汚れているようには見えないと思いますが、オイルまみれで引き抜けなかったのでウエスを当てながら外しましたためです。内部からまだオイルが垂れていたのでウエスの上に置いています。

そしてもう1点気になるのは、もう1方向のサクションパイプ側の汚れ具合。

スイフトスポーツ(ZC33S) サクションパイプ側ブローバイホース

作業ついでに外してみました。

スイフトスポーツ(ZC33S) サクションパイプ側ブローバイホース

垂れるほどではないですが、内部がうっすら湿っているくらいの感じです。

スイフトスポーツ(ZC33S) サクションパイプ側ブローバイホース

ホースに指を突っ込んでみました。若干オイルが付着しているくらいですね。

サーキットなどは走りませんが、一時的に高回転まで回すことがあるくらいの運転でこのくらいなのでサーキットなどで頻繁に高回転を使う方はまだ出るかもしれません。

この両方のホース内の汚れ具合だけでの判断しかできませんが「Bルート」を選択したのは間違ってなかったかなと思います。

それでは。

 

↓タワーバー取り付け↓

↓エアクリとサクションパイプ取り付け↓

コメント

  1. 匿名 より:

    ネットで検索すると確かにAルートが多いですね
    私も取り付けるならBルートに取り付けます

    • TAKA社長 TAKA社長 より:

      コメントありがとうございます。
      やはりBルートですよね。
      共感いただけると安心します!
      Bルートに付けて様子みてまたブログにまとめていきたいと思ってます。

  2. 匿名 より:

    メーカーがAルートにする理由は簡単です。
    Bルートがインマニのみにブローバイガスが戻るのに対し、Aルートは「スロットル(バタフライ)」を通過してからインマニに戻るからです。つまりスロットルバタフライや、バタフライの手前にある2個の穴「EAVC(PVC)バルブ、ファーストアイドルバルブ」の汚れが軽減できることでアクセルレスポンスを保てるのです。もちろんそれならば、KUREのエンジンコンディショナー等でバタフライを清掃すればいいという話にもなりますが、清掃の頻度を下げるという意味でも有効かと思います。

    • TAKA社長 TAKA社長 より:

      コメントありがとうございます。
      確かにメーカーはスロットル周りの汚れ軽減まで考えているのでAルートへの取り付けとなるわけですね。
      街乗りメインなので今回取り付けたときはBルートの方が汚れが酷かったですが、サーキットなどを走る方ならAルートが正当な取り付け方法なのかもしれません。
      ホントは両方に付けるのが1番良いのかもしれませんが。

    • 高橋 永 より:

      この問題を考えている方は殆どがターボ車の方だと思います。電子スロットのせいかで7万キロ位でスロットを清掃しましたがほぼ汚れていませんでした、それもそのはずターボには経路の間にインタークーラーがありますよね。案の定インタークーラーにはオイルが付着していました。でも壊れる感じはありませんでした。それに自分の型は Aのライン は純正エアーボックスの差し口からボックスに戻る方式なのでオイル受け皿に純正ボックスをいかしながら Bライン にキャッチタンクを付けようと思います。ヘッドカバーから2箇所ある街乗り使用は断然 B だと思うんですが。

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